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天然ガスの歴史

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天然ガスの発見

天然ガス井発祥の碑(大多喜町)
天然ガス井発祥の碑(大多喜町)

「天下無比天然水素瓦斯」と刻まれた銅版
「天下無比天然水素瓦斯」と刻まれた銅板

千葉県大多喜町は、この地方の天然ガス発祥の地と言われています。ではこの地の天然ガスはいつごろ発見されたのでしょうか。これについては諸説があります。伝説的には、天正18年(1590)本多平八郎忠勝が大多喜城主に封ぜられた6年後の慶長元年(1596)のころと言われていますが、この他にも安政・文久(1854~63)のころという説や、さらには慶応から明治の初期(1865~72)という説もあります。いずれも史実に乏しく、その間の事情については定かではありません。

実録によれば、大多喜町坂花(現大多喜町上原)で醤油醸造業を営んでいた山崎屋太田卯八郎氏 (1843~95)の掘さくした水井戸の一件が、天然ガス発見の事例として残されています。

明治24年(1891)5月、同氏は屋敷内に水井戸を掘りましたが、真水は湧き出さず、なお追掘しても湧き出る水は、泡を含んだ茶褐色を呈する塩水のみで、遂に目当ての真水は得られませんでした。

これに気落ちした同氏は他に良い思案のないまま、口にしていたタバコの吸殻を何気なく水泡のなかに投げ捨てたところ、水泡はたちまち青白い炎を上げて盛んに燃えだしました。同氏をはじめその場に居合わせた人たちはひとしく驚きの声を発してその様子を見守りました。天然ガスが湧き出していたのです。

その後、同氏はいろいろと工夫して天然ガスを利用したのですが、後年、その子伊之太郎氏は井戸の様子を銅板に刻ませて「天下無比天然水素瓦斯」と称して後世に伝えました。

天然ガスの利用拡大

この最初のガス井戸は、大正12年(1923)関東大震災のころまでガスの噴出を続け、この地方の民家でガス井戸を掘る民家井発達の端緒となりました。また、ほぼ同年代に、大多喜町紺屋に居住する西尾発造という人が深度100間(約182メートル) の水井戸を掘ったところ、褐色のかん水とともに天然ガスが噴出し、よく事情のわからないまま、ささやかな工夫を施して、家庭燃料や灯火に利用したと言います。ちなみに、当時この地方における水井戸は、上総掘りという掘さく方法で掘られ、掘さく費は、多くの場合、金銭によらないで1坑井当たり米何俵ということで請け負われたとのことです。

大多喜地方で、民家井を掘るようになったのは、大正の初期ごろからで、昭和に入ってから、さく井が一段と盛んになり、昭和4~5年(1929~30)には井戸数40~50坑を数えました。動力等によらず自噴する天然ガスは、簡易な分離器を経て導かれ、家庭燃料や灯火に、ある者は精米・精麦の動力用に、さらに一部の農家では繭(まゆ)の乾燥用に利用しました。こうして、天然ガスの利用は、地域的にも次第に拡がり、量的にも増加して、この地方に定着するようになり、昭和3~6年(1928~31)ごろには、ピークに達しました。

企業による生産の始まりは、昭和6年(1931)に創業した当社(当時の社名は大多喜天然瓦斯株式会社)によるもので、当社の手で都市ガス供給も行うようになり、ガスの採取から輸送、さらに供給までを安全に管理する時代へと発展してきました。当社は現在、天然ガス事業のパイオニア、千葉県内最大手のリーディングカンパニーとして、その地位を確立しています。

上総掘りとは

上総掘りで掘さくされた井戸が噴出する様子

江戸時代に水井戸を掘るために、上総地方(現在の千葉県君津市)で使用されていた方法で、 明治26年(1893)に新潟県の新津油田で初めて油井の掘さくに使われました。 その後改良を加えながら 多くの水井戸、温泉井や油井、ガス井の掘さくに使われてきましたが、人力で掘るために時間がかかり、徐々に機械掘りが 採用されるようになり、昭和の時代になって姿を消していきました。

上総掘りは、岩石を掘り砕く「ビット」に孟宋竹を裂いた「へね竹」をつなげ、これを人力によって上下させて岩石に衝撃を与えて掘進する方法です。井戸が深くなると「へね竹」は長く、重量も 大きくなるので、地上にそれを巻き取る「へね車」と称する大車輪や「はね木」と呼ばれる竹の弾力を利用した重量を和らげる装置もついていました。

当社(昭和6年に大多喜天然瓦斯株式会社として設立)が昭和30年までに掘さくしたガス井は、上総掘りが主体となっています。現在、国内には上総掘りの技術者を育成・指導しているボランティア団体があり、東南アジアやアフリカなど発展途上国で動力の未整備な地域において井戸を掘るための技術の普及に努めています。

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